統一教会の経典の秘密

韓国メシヤ運動史研究所シリーズ第5巻 統一教会の経典の秘密 『原理原本』から『真の父母経』まで

創始者の悟りと『原理原本』

2. 創始者の悟りと『原理原本』
 

 統一教会創始者の核心アイデンティティである血統復帰、これを通した救世使命といくつかの社会的事件から始まった『原理原本』は、創始者が体得した天の啓示と自ら探求して明らかにした天の秘密、そしてキリスト教神霊派たちとやりとりした様々な宗教的要素が含まれている。また『原理原本』は、絶対者・神様の実存と天地創造の原理、天使長がエバと性的淫乱関係を通して血縁関係を結び、堕落したエバが再びアダムと肉体的な性的関係を結ぶことで、霊肉共に堕落したという内容などが含まれている。さらに堕落した世界を復帰し救援する過程を詳細に説明している。

『原理原本』が明らかにした「創造→堕落→復帰」の構造は、後に登場する統一教会の教理と経典の根本的な骨組みとなり、統一教会の様々な儀礼を通して具体化された。特に創始者の血統認識と血統復帰儀礼は、救援と復帰のための具体的な行為として人間が堕落した過程と反対の経路として象徴され具体的に実行されている*1

 創始者にとって『原理原本』は、絶対者・神様が宇宙を創造した根本法則と人間の存在についての究極的な質問に対する答えであり、地上と霊界の存在原理でもあった。そして、堕落した人間が堕落前の姿に回復して救われる唯一の方法についての真理であった*2。神話的事件の主人公として、その事件を論理的に 説明することができる「原理」を『原理原本』を通して明らかにした創始者は、神様に代わって、堕落した人類を復帰することができる唯一の中心人物が自分だと認識した。また彼は「再臨のイエス」「人類の救世主」さらに復帰された血統の「真の父母」という自己認識を持って、単に「原理」を宣布したことにとどまらず「原理」を実践する段階に発展していった。

 

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*1:絶対者・神様の許諾を受けない性的淫乱行為と血統の汚れが堕落の原因だったので、その反対の経路に沿った復帰の過程を実践することが血統復帰儀礼である祝福結婚式である。つまり、絶対者に代わって創始者が定める配偶者と婚約し、すでに絶対者の血統に復帰された創始者を通して血統復帰、すなわち重生の過程を実践することが統一教会の祝福結婚式である。

*2:『み言葉選集』第34巻266頁.1970.9.13.;統一思想研究院,『統一思想要綱(頭翼思想)』(ソウル:成和出版社,1994),130頁