統一教会の経典の秘密

韓国メシヤ運動史研究所シリーズ第5巻 統一教会の経典の秘密 『原理原本』から『真の父母経』まで

「八大教材教本」を毀損し 韓鶴子経典を合理化する論拠

『真のお母様の生涯路程』を通じて文亨進と統一教会が宣伝してきた2012年1月23日(陰暦1月1日)の「神様の結婚式」も不発に終わった。教会側は全参席者に礼服を準備させ、外国にいる人々まで招待して礼式を準備したまま、その日の朝までこれを成功させる為に力強く推進したものの、創始者の激怒と反対によって結局消えてしまったのである。
 何故、創始者は文亨進と呉澤龍と韓鶴子がそれほどまでに念願した神様の結婚式に反対したのか。2012年1月23日前後に創始者周辺で行われた事件を通して、その疑問を解く糸口を見つけることができる。「神様の夫人論」を前面に立てて韓鶴子と文亨進、呉澤龍らが創始者に隠れて神様の結婚式を密かに準備していた2012年1月19日の天正宮訓読会の雰囲気は深刻だった。創始者

「お母様はお父様と異なる別の道を行っている。お父様の言葉を聞かず、 お母様が『私の言葉を聞け!』というのは、ルーシェルよりももっと恐ろしい 存在だ。そんなお母様に従う者はお化けだ。こいつら…」

と語られ、韓鶴子創始者の前に立て、その後ろには石俊淏、尹晶老、黄善祚、金孝律の4人を立てて、創始者に絶対服従を誓う儀礼をさせたという。韓鶴子の不従順を創始者が公けに叱責したのである。
 また、2012年1月21日土曜日の天正宮訓読会で創始者

韓鶴子オモニが自分の先祖は文総裁の先祖よりも優れていると言ってい る。とんでもない話だ。私に従う人たちは力のない女性食口で、男性たち(子供と幹部)はオモニに従いながら何でもオモニと相談しているので、これが教 会を滅ぼす道であった。教会の男たちがオモニを中心に議論し、オモニが全てのプログラムを決定するということはありえないことである。その子供たちも私に隠れてすることあれば、全て引っかかる!行ってはっきりと伝えろ!」

という要旨で訓読会に出席した全ての人が聞くように大きな声で語ったという。
 文亨進を中心に呉澤龍などが推進した2012年1月23日(陰暦1.1)韓鶴子の神様との結婚式が創始者の反対で水泡に帰した。また、文亨進が推進した1月24日天福祝祭で創始者は、
「お前たちはこれから全てを推進するに当たり、まずお父様に報告して指示を受け、決裁を受けた後、オモニに報告しなければならない。これを逆にしては絶対にだめだ。分かるか。何故先に出て行くのか。…神様は今まで女性を創ることができなかった。文総裁がこのオモニを創るのです。このオモニ が勝手にああしろこうしろとはできません。聖進のオモニも、このオモニも同 じです。聖進のオモニも、このオモニも同じです*1


と言って韓鶴子を叱咤した。創始者韓鶴子創始者をだまして「神様の結婚式」を強行した理由を知っていたものと思われる。結局、責任を果たさなかったことで、韓鶴子が完成したエバ、創始者の真の夫人、真の子女の真の母の立場に立たなかったので、創始者韓鶴子がそれほどまでに願った「神様の結婚式」を許諾しなかったのである*2 。

『真のお母様の生涯路程』が牧会学者金恒濟と文善英が書いたと思われる4つの論文を付録として掲載しているのも興味深い。この論文は「統一教会の公式的立場とは異なる場合がある*3」という前提が含まれているが、この論文の内容とその後に展開された韓鶴子の独生女論、そして統一教会の「天一憲法*4 」の内容を考慮すると、この論文が独生女論や天一憲法に一定部分影響を与えたものと思われる。まず、これらの論文はキリスト教性神学の観点から統一教会の宗教的特性を解釈しており、創始者アイデンティティ統一教会の教理や伝統とは距離が遠い世俗的な女性解放神学者韓鶴子神格化のために企画したものと断定することができる*5。特に「真の母神様論」「真の父母メシヤ論」「真の母メシヤ論」において、論文の著者(金恒濟・文善英)は統一教会の教理によってのみ説明される用語と概念を、キリスト教神学と統一教会神学を区分することなく混用して使っている。このような論旨展開は、深刻な混乱を招来せざるを得ない。

 結論的に『真のお母様の生涯路程』の材料となった呉澤龍の講義とこの本の付録の論文は独生女理論のもう一つの材料になり、「八大教材教本」を毀損し韓鶴子経典を合理化する論拠となった。

 

 

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*1:https://www.youtube.com/watch?v=nh-gwvR-U28.天福式行事.2012.1.24.

*2:
『み言葉選集』第607巻,310頁.2009.2.16.;第614巻,28頁.2009.7.12.;第499巻,235-236 頁.2005.7.3.

*3:『真のお母様生涯路程』284頁.「付録に収録された論文は、鮮文大学校金恒濟教授と文善英教授が執筆したもので、統一教会の公式的立場とは異なる場合があります」

*4:)2013年7月12日「天一憲法制定の為の公聴会」で論議され、天一憲法の前文に銘記された「完全な男女平等を追求し」の語句は『真のお母様の生涯路程』付録に載せられた論文の影響と見える。「男女平等」は国民の平等権保障の為の詳細条項の中の部分項目の下位概念に該当するものを前文に含めたのは、多少不自然である。そのように明示した何らかの意図があるだろうが、その 前に「完全な」という修飾語を付けたのを見ると、創始者と何の差もない韓鶴子の「完全な」位相と権限を強弁し、本憲法案の全般にわたって具体化された韓鶴子の絶対権力の理念的基礎として活用する為のものと見られる。しかし、この文案は問題になったのか、削除された。

*5:『み言葉選集』第367巻,275-276頁.2002.1.23.;第425巻,137頁.2003.11.11.「女権時代だと言って女たちが親分だと言いながら夫を否定して無視する王権ではない。神様と真の父母が立てた原理原則による法に従わなければならない。真のお母様が横的同位圏に立っても主体である真のお父様の指導を受ける」 と教示し、創始者フェミニズムの男女平等の概念を批判したことがある。