統一教会の経典の秘密

韓国メシヤ運動史研究所シリーズ第5巻 統一教会の経典の秘密 『原理原本』から『真の父母経』まで

呉澤龍が主張する「正分合作用」や「三位一体」の怪

「真のお母様は責任を完遂され、実体の神様の座まで上られました。真のお母様の完成の結果は正分合作用の完成を意味します。人類歴史以来初めて、実体的三位一体が完成されたことを意味します。神様とアダムとエバが完成して一体となれば、三位一体が完成されます。今は神様と真のお父様と真のお母様が正分合作用で言う統一体になられました。神様と真のお父様と真のお母様は真のお母様の子宮で一つになります。…完全な位置に上られた真のお母様(2008.5.14.)は、「万王の王神様解放圏戴冠式」を通じて神様 の全体・全般・全権・全能の権限を行使されます。その結果、真のお父様はメシヤから真の父母に、真の父母から「万王の王」の位置に上られました。「アベル国連定着戴冠式金婚式及び昇華祝祭」(2010.4.29〜5.9)で金婚式は、 真のお母様を神様の夫人の位置まで上らせる神聖な聖婚礼式でした*1」 


 呉澤龍がこの主張で使っている「正分合作用」や「三位一体」の概念は、統一教 会の原理と創始者の教示の概念とは異なっている。統一教会の『原理講論』によると、正分合作用は絶対者・神様の創造過程と創造目的を成す過程的現象であり、正分合作用の結果と目的は四位基台完成である*2。正分合作用の結果を三位一体と主張する呉澤龍は、統一教会の教理から遠く離れているように思われる。原理講論の創造原理によれば、「正分合作用によって三対象目的を成した四位基台の基盤がなくては、神様の創造目的は成し遂げられない」ことになっている*3。したがって、その目的を成就する為には「イエス様と聖霊も神様の二性性相から実体として分立された対象として立ち、互いに授受作用して合成一体化することによって、神様を中心とした四位基台を成さなければならない。この時にイエス様と聖霊は神様を中心として一体となるのであるから、これが即ち三位 一体である*4」と説明している。しかし、この三位一体はまず、夫と妻が子女を生み家庭的四位基台を成す過程的条件であり、家庭的四位基台を成すことができない三位一体では決して創造目的を完成することはできない*5


 さらに呉澤龍は「神様と真のお父様と真のお母様は真のお母様の子宮で一つになります。これが絶対性の起源です」と主張し、「真の母(韓鶴子)」が全体・全般・全 権を行使する完全な神様の位置に上った結果、創始者はメシヤから真の父母に、 真の父母から「万王の王」の位置に上るようになったと主張する。結局、韓鶴子の完成が創始者完成の条件であり、これは「韓鶴子創始者を完成させ、韓鶴子創始者の血統を復帰した」という独生女主張*6の根拠になったと思われる*7

 

 

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*1:『統一世界』2010.5,467号,71-72頁.文亨進は2011年12月4日、天福宮日曜礼拝ビデオ説教で、「2012年1 月28日(陰暦1月6日)の真の父母様聖誕日に挙行される結婚式は神様と真のお母様が結婚し、真のお母様が神様の夫人となる行事である。この行事の為に、真のお母様は真のお父様から耐え難い修行を受けておられる」と語った。この説教を通じて韓鶴子は未だ神様との結婚式と神様の夫人になる為の新婦の授業を受けていたものと見える。ところが、呉澤龍は講義で韓鶴子が責任を全て完遂し、実体の神様の位置に上って、既に2010年に神様と結婚して神様の夫人になったと主張する。

*2:『原理講論』日本語版 54頁.「このように、正分合作用により、正を中心として、二性の実体対象に立たされた主体と対象と、またその合性体が各々三対象目的を完成すれば、四位基台を造成するようになる」

*3:『原理講論』韓国語版 33-35頁.

*4:『原理講論』韓国語版237頁.

*5:『原理講論』韓国語版238頁.

*6:2016.12.25.天正宮で行われた「17人姜賢實対策集会」での韓鶴子の発言;2016.12.30.天正宮で突然、招集された430家庭以上の元老女性集会での韓鶴子の発言。

*7:呉澤龍が統一世界に寄稿した内容の結論は「①神様の子の種が独生女の子宮に安着すると神様が完成する。②神様は地上で形状的女性格対象に出会い結婚式を挙げなければならない。③結局、神様の創造目的完成は、被造世界全体を代表した韓鶴子と神様が婚姻すれば完成される。 ④お父様の精子の最後の定着地はお母様の子宮なので、お母様がいなければお父様の完成はない」ということに要約される。